五・六月:選擇評論:全集第三巻所載:『戀愛と人生』(「婦人畫報」昭和二十八年一~七月號:四十二歳)
・戀愛(西歐的概念・新漢語)への適應異常・・・教育・西歐自然主義文學等に對してと同一的現象。
・當評論も恆存の以下主論から發生して來てゐる、日本が持つ西歐近代適應異常の一つ。
「それ(西歐的概念)が身につく土壌が日本に缺けてゐるからである。とすれば、さう言ふ土壌(テキストP9圖)に生じた文學や藝術や學問が、或は政治や制度が、もし近代的に見えるとすれば、それは何處かにごまかしがあるに違ひ無い」 (全七P393『醒めて踊れ』)。
・故に恆存は言ふ。「我々の血の中には、古い情事の意識が殘存してゐる。(中略)その(適應異常が招く)混亂を分析しなければ、いつまでたつてもわれわれは不當に惱み、不當に傷つかねばならないであらう」(當評論P326)と。
⇒「戀愛感情の混亂」の章。
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・適應異常から來る西歐的概念の神格化(C2)現象・・・日本が持つ「精神主義的パターン」が招來する禍(テキストP9圖參照)。
・その原因・・・西歐近代の如く、實證精神による 「テキストP8圖」化、即ち「神に型どれる人間の概念の探究」化が出來なかつたから。(以下PDF三頁參照)
〔參考:クリスト教〕・・・以下のクリスト教的背景が分からぬ爲に、戀愛も「適應異常」に繋がる。(當文PDEのP3參照)
・「受難」を意味するpassion の語源はpassive 。「情熱」は「受動」。それに身を委ねるは悪しき事と言ふのが聖書の思想。
・即ち、肉=感情・戀愛感情に従ふは罪。肉は神意を遂げる處。「理想(神意)の地上(肉)的現實化」(P367)。
・「情熱・肉」に相對するのが精神(能動的概念)。肉體の受難に対して精神はそれに打剋つもの。イエスが「神の子」であるのは肉體の受難に打剋つ精神を持つてゐた事。それによつて神と繋がつてゐた。
「受難:passion
」とはさうした能動的・積極的概念の象徴。(『シェイクスピアの魅力』要旨に「聖書事典」語彙を加筆)
以下詳細は此方をご照覧下さい。
renaitojinsei.pdf へのリンク