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【近代の宿命】(全集第二巻)から。
A(「支配=被支配の自己」)・B(「神に従属する自己」)二元論の歴史的展開
「歴史を持つ社会は、自ら回復しえぬやうな病ひをけつして背負ひこまない。歴史の意識
をヨーロッパにはじめて植ゑつけたものが中世であり、そのクリスト教にほかならなかつ た。ギリシャに歴史はない。――絶対者のないところに歴史はありえないのである。統一 性と一貫性との意識が人間の生活に歴史を付与する。(即ち以下の構図の変遷)とすれ ば、ぼくたち日本人がヨーロッパに羨望するものこそ、ほかならぬ近代日本における歴 史性の欠如以外のなにものであらうか」(全二P460):(以下文括弧内は吉野挿入)
「統一性と一貫性」・・・とは、下図における三角図とC(神・絶対)の不動と言ふ事。そして
AB分離線の下降(変遷)のみがあつたといふ事に、その歴史性(統一性と一貫性)の存 在が証明されてゐると言ふことである。
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